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『経験は理論より強し』
リハビリ病院に入院していた時に興味深い御仁S氏と仲良くなった。
Sさんは70歳位。Sさんの御話は理論的で説得力があった。
Sさんは車椅子だった。Sさんの話では車椅
子も一様ではなく出来不出来があると言う。Sさんは御自身の車椅子を指差し
て私に解説して下さったが、残念ながらS氏程メカに強くもなく論理的でもない
私では理解出来なかった。
S氏によれば三輪車でも同一の出来ではないとの事。S氏の2人の御子さん
の幼少の頃、下の御子さんは三輪車が下手だったが、これは子供のせいではなく
三輪車の出来が悪かったと
今自分が車椅子の体験で確信したとの事。
奇遇だが私が中途入学して5年の1学期で中退した私立小学校H学園にS氏の
御子さんは幼稚園から通っていた。幼稚園には園児用の三輪車があったが、小
学生が乗るのは禁じられて
いた。しかし幼稚園と小学校では休み時間が違っていたので悪ガキだった私は
よく三輪車に乗って遊んだ。その時、外見は同じなのに三輪車によって乗り易
いのと乗り難いのがあった
のを思い出した。昔の謎が40年も経ってからSさんの御蔭で解けた。
こんな経験が私にあったのでSさんの車椅子に対する分析も理解出来た。
更
にS氏は納得の行く車椅子を製造するのは難しいと発言。その理由は、車椅子
の開発者は車椅子を必要と
しない人間だから本当に便利な車椅子を理解出来ないからだと言う事だった。
私は英語が出来なくてオチコボレだった。当時英文法の参考書を見ても理解
出来なかった。当然だ!参考書の著者は英語で困った経験の無い人だ。
PCの説明書を読んでも解ら
ないのと同じだ。説明書を書いてる人は説明書なんて見なくても操作可能だか
らだ。私が予備校講師時代にオチコボレ受験生から支持されたのは、彼等が解
らない箇所とその理由が手
に取るように解ったからだ。これは自分自身のオチコボレ体験から解った事だ
。
元々リハビリの必要がない私だったが、こんな訳でS氏とは意気投合した。
食後にS氏の話を拝聴するのが楽しかったと同時に経験の重要性を再認識した貴
重なリハビリ入院だった。
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