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コラム

『赤い糸』

何年か前に仕事で浅草ビューホテルに泊った。夕飯に外へ出た。子供の頃 祖父母に連れて行って貰った浅草が懐かしくて歩いてみたかったからだ。初め ての飲食店に入ると私に 声をかけてくれた人が居た。彼に誘われもう1軒行くと、彼の著作「浅草を食 べる」が何冊もあり彼は私に1冊進呈してくれた。彼はJ.C.オカザワと言 う人物で大変な食通だっ た。御礼をしたくても連絡先が判らず困っていた。今年になり彼のメルアド が判り連絡が取れ、急に友達になってしまった。

Jは食ガイドの本を何冊も出している。Jは昨年のミシュラン東京に猛然と 反発した。「こんな高いとこばかりじゃ庶民が行けない」が理由だ。そこで Jは庶ミンシュランなる ガイドブックを出した。私がJを尊敬してるのは、博識と単なる食ガイド本で はない事だ。銀座の煉瓦亭が日本で初めて千切りキャベツを出したと言う事や その理由迄Jの本には出 ていて知的好奇心を煽られる。そればかりか洒脱な文章には敬服してる。え ?張り合う?高過ぎる山に登る気はない。張り合うだけ馬鹿馬鹿しい。

昔から男女の間柄は赤い糸で結ばれていると言うが、男女間のみならず人の縁 は全て何かで結ばれているような気がしてならない。私があの時浅草ビューホ テルに泊ってなければ、 外食しなかったなら、あの店(名前も忘れたが)に行ってなかったら、Jがあの 時間に来店してなかったら、Jが声をかけてくれてなかったらといくつもの条件 が重なってる。兎に角 御蔭様で私にはJと言う人的財産が増えた。

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