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『誰でも浦島太郎』
長崎県国見町に講演に伺った時の事。「ここは高齢者の町?」との印象を受
けたので役場の方にお尋ねすると「65歳以上が15%です」との返答。当時
私は「たった15%で
もこんなに多いと感じるのか」と驚嘆したものだ。
これは14年ほど前の事だ。 一昨昨日(おととい)は敬老の日だった。
マスコミ報道によると65歳以上の人口が22.1%で2819万人との事。 75歳以上も10.3%で1321万人。 14歳以
下の人口が1718万人に対して70歳以上が2017万人だそうだ。
この人口と比率を聞いて国見町の事を思い出した次第だ。
私立宝仙学園小学校の時にお兄さんのように思って慕ってた先生方は端から定
年退職、恩人や恩師も後期高齢者に。 御世話になった病院の先生方やテレビ、
新聞関係の方からは定
年退職の挨拶状が。 「えっ! あの方未だ50位じゃ」と思って自分の年齢を
考えてやっと納得する昨今だ。 そう言えば仕事で会う人達はいつからか皆私よ
り若い人ばかりになっ
てしまった。 今年80になる母は還暦前から「長生きなんてしたくない」と言
ってた心境が私にも解る年齢になってしまった。 敬老の日に中学時代の恩師に
御電話を申し上げると
先生は「もう何年生きても人生は同じ」と仰っておられた。 若い頃は頑健だっ
ただけに今、五体満足ではあっても昔のように体が言う事をきかない御様子だっ
た。
子供の頃に浦島太郎の童話を読んで貰って玉手箱から白い煙が出た場面で浦島
太郎を可哀想だと単純に思ったものだ。 また海中でどうやって呼吸したのか不
思議に思ったものだ。
作家の吉行淳之介さんは玉手箱を「玉出箱」と解釈して、男性機能の停止と解釈
した。 かつて「姥捨て山」なるものがあったらしいが、浦島太郎の童話は高齢
者の悲哀を表した哲
学なのかも知れない。
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